8月23日「ZST.47」で伊藤盛一郎の持つZSTフライ級のベルトに挑む矢島雄一郎。今回が3度目のタイトル挑戦となり、このチャンスにかける想いは強い…と思いきや、意外にも矢島は自然体のまま試合に臨むという。超新世代選手たちの活躍が目立つZSTにおいて、軽量級のパイオニアの胸に去来する想いとは何か?
——まず今回のタイトル挑戦が決まった時の心境を聞かせてもらえますか?
矢島 去年から実家の山小屋(長野県・八ヶ岳)を手伝っていて、ちょうどこの時期はレジャーシーズンなので、かなり忙しいんですね。だから普通の試合だったらお断りしているタイミングだったのですが、タイトルマッチということで受けさせていただきました。
——長野に引っ越してきて、かなり生活・練習環境も変わったと思いますが、今どんな練習環境なのですか?
矢島 引っ越してきた当初は数カ月ほど何も練習が出来なかったのですが、その分、身体作りなどに時間を割いていました。それから徐々に練習環境が整い、一緒に練習する選手も増えてきました。所属は禅道会なので、禅道会の道場を使わせてもらっていますし、それ以外でも選手たちで集まって練習しています。
——東京と比較すると練習仲間を集めるのも大変ですよね?
矢島 やはり田舎なので……(苦笑)。正直ちょっと(格闘技を続けるのは)無理かなと思っていたのですが、ようやく練習できるようになりました。
——ちなみに毎日どのようなスケジュールで生活されているのですか?
矢島 その時々によって変わりますね。うちの山小屋は標高2100mのところにあって、朝、仕事に出かけて夕方帰ってくるというわけにはいきません。お客さんが多い時は泊まり込みになりますし、練習は仕事が空いた時間に、という形です。
——最近は2戦2勝、いずれもKO・一本と好調です。長野での練習が充実してきたからでしょうか?
矢島 そうですね。生活も落ち着いてきて、今までとは違う練習も取り入れながら、その成果が出せるようになってきたと思います。もともと僕は自分で練習内容・メニューを考えてやってきたところがあるので、今の環境でも練習は続けられています。
——さて今回のタイトルマッチは矢島選手にとって3度目の王座挑戦です。過去のタイトルマッチとは状況も環境も変わったと思うのですが、今率直にどんな気持ちですか?
矢島 自分の中でZSTのフライ級チャンピオンは田沼(良介)選手で、田沼選手が誰かに負けてベルトを獲られたわけではなくて、返上してチャンピオンが変わって…という形なので、そこまでチャンピオンと戦うという気持ちがないと言えばないです。ただ田沼選手の後輩で、勝村(周一朗)さんのジムの伊藤選手というのは…何か自分に縁があるのかなと思います。
——矢島選手はZSTでデビューして、10年以上、ZSTを主戦場に戦っています。タイトルへの想いは強くなっていますか? それとも徐々に変わってきていますか?
矢島 10周年記念大会で田沼選手に挑戦して負けて、その時にこれはもう(田沼には)敵わないと思いました。それでベルトのことは諦めていたのですが、諦めていたのはベルトというよりも田沼選手に勝つことだったんですね。だから田沼選手からチャンピオンが変わって、こういうチャンスが巡ってきて。僕は勝っても負けてもこれが最後かなという気持ちもあるので、それがタイトルマッチというのは自分としてはありがたいです。
——今回の試合が最後になるかもしれないという気持ちなのですか?
矢島 はい。でも今までと違って何が何でも(ベルトを獲る)という気持ちではないかもしれません。僕以外にも坂巻(魅斗)選手や色んな候補がいるので、特に今自分が挑戦しなくてもいいという気持ちもあったんです。
——なるほど。チャンピオンの伊藤選手は21歳ですし、今のZSTには10代で活躍している選手もいます。矢島選手はそういった状況をどう感じていますか?
矢島 若い選手が出てくることはいいことだと思います。でも若い選手に負けたくないとか、そういう年齢的なことは関係ないです。
——気負うことなく、自然体のままタイトルマッチを戦うことがテーマのようですね。
矢島 そうですね。自分自身が最後の試合になるかもしれないと思っているし、とにかく万全の状態に仕上げてリングに立ちたい。それで伊藤選手が僕に勝つんだったら、それが一番いい話なんじゃないかと思っちゃうくらい、自然体なんです。でもこの試合が僕の集大成になることは間違いないので、最高の自分を作って戦いたいと思います。
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