2017年2月24日の金曜日、東京は新宿FACEにて開催される「ZST.55」。ZST初の平日開催ですが、この日は政府が推進する「プレミアムフライデー」という試みの初日でもあります。てか、それ何?食ったら美味いんか!?という方もいるのでは・・・というわけで、ZSTファイターの他にマジメな会社員としての顔も持つ“ミスターGT”太田裕之(OFC)さんが、千葉商科大学国際教養学部専任講師で働き方評論家の常見陽平さんに社会学的な目線でインタビューを敢行しました!
・プレミアムフライデーとは何か?
太田:常見さん、本日はよろしくお願いします!ズバリ、プレミアムフライデーとは何でしょう?
常見:プレミアムフライデーとは毎月月末の金曜日の終業時間を午後3時に早めるように経済産業省が企業に呼びかけた政策です。政府が進める「働き方改革」の一環という意味合いと、毎月最終金曜日の午後3時に仕事を切り上げさせることで消費を促進しようという目的があります。
今回ZSTさんがプレミアムフライデーに大会を開催するということで、プレミアムフライデーと格闘技の組み合わせというのは非常に興味深いですね。新宿FACEにしろ後楽園ホールにしろ、仕事終わりにふらりと寄れるのが非常に良くて、野球場にビールを飲みにいくような楽しみ方もできますので、楽しいことに接する機会として是非使っていただきたいと思います。
一方、企業としては仕事を減らしたり、帰りやすくしないといけませんね。まずその時間にちゃんと帰れるのか?という問題があります。日経ビジネスの事前アンケートでもプレミアムフライデーについては賛成が52.2%、反対が30.3%、どちらでもないが17.5%となっているのに対して、普及すると思っている人が17.1%という低さでした。
太田:あらら、そんなに低いんですか・・・
常見:今までもノー残業デーというのは会社の飲み会に使われがちなので、それを危惧しています。日経ビジネスのアンケートでも、プレミアムフライデーに「何をしますか?」という質問に「家に帰る」という人が65.0%と一番多かったようですので。
太田:何となく「家に帰る」のではなく、「格闘技を観よう」といった明確な目的があれば仕事を切り上げるモチベーションになると思います。是非、今大会をそういう意味でも使っていただければと思いますね。
常見:流通を含めて、いろいろな業界でお客さんの時間の奪い合いが展開されると予想されます。また当然、財布の中身の奪い合いにもなりますが、面白い取り組みですので、ZSTさんにも是非がんばっていただきたいですね。
・格闘家にとってのプレミアムフライデー
太田:観に来ていただくお客さんにとってもプレミアムフライデーですが、出場選手も格闘技一本だけで生活している選手はほとんどいません。今回もアルバイトからIT会社の社長まで、様々な仕事をしている選手が練習を積んでリングへ上がります。また通常は土日などに試合をしている選手たちが金曜日に試合をするということで、計量なども前倒しになるので準備が大変になることが予想されます。
常見:一方で、試合後、土日でしっかり休んで回復できるというメリットが選手にあるかもしれませんね。翌日の仕事を気にせずに、思い切って戦うこともできるのではないでしょうか。皆さん働きながらプロ格闘技を続けるのは大変かもしれませんが、それは他のスポーツも同様です。例えば日本のアメリカンフットボールではこの10年間、学生は社会人にほぼ勝っていません。社会人のチームが働きながらも頭を使って練習をすることで勝利をつかんでいるんですよ。
太田:なるほど!そういう意味では選手の戦い方にもプレミアムフライデーが影響する可能性がありますね。今回はコアなファンの方が集まる新宿FACEという会場ですが、是非ライトなお客さんにも来ていただいて試合を見ていただきたいです!
常見:そしてプレミアムフライデーの試合開催によってライトなお客さんも集まり、動員が増えて選手のファイトマネーにも還元されれば良いですね。
太田:はい、選手たちもそれを目指して熱い戦いをすると思いますので、是非、会場に足を運んで観戦していただければと思います!
・「ZST.55」の見どころをミスターがキラリと解説!
太田:ここからは、私が今大会の見所をご紹介します。まず「華がある!華しか無い!」でおなじみの”ZSTの体操お兄さん”上田貴央(パラエストラTB/GSA)と”足関一休さん”田丸慶輔(総合格闘技宇留野道場)の一戦。パーソナルトレーナーとしても活躍中の上田選手が、久しぶりにZSTマットへ復帰を果たす田丸選手と激突します。それぞれ寝技が得意な両者ですが、意外と打撃戦が勝利の鍵を握っているのでは?
そして”ラスト風サムライ”川村謙(リバーサルジム東京スタンドアウト)と”ネバーエンディングファイター”平田真徳(ALLIANCE)の一戦。川村選手はIT社長、平田選手はエリートサラリーマンという一面も持っています。どちらも強力なフィジカルをベースに相手をねじ伏せるような戦い方をしますので、どちらががねじ伏せるか?ねじ伏せられるか?という試合になると思います。
最後に、ライト級新王者の”暴走柔術”平信一(綱島柔術)と”ブレーキの壊れた男”高橋了介(リバーサルジム横浜グランドスラム)の暴走対決。平選手は会見でボブ・サップ戦をブチあげてからの王者初戦となりますが、対する高橋選手は変則的な打撃と強烈な足関、そして平選手に負けない暴走ぶりを武器にSWAT!から上がってきた選手。気を抜くと金星献上ということにもなりかねません。これは意外にも緊張感があるシビアな戦いになると思います。
他にもフェザー級の出世争いやウェルター級のド迫力バトルなど楽しみなカードが並んでいますが、いずれも熱い戦いを見せてくれると思いますので、常見さんもぜひ会場に足をお運びいただければ幸いです!
常見:楽しみにしています!
そんなわけで初のプレミアムフライデーは新宿でプレミアムな戦いを!チケットはチケットぴあにて絶賛発売中!また当日券もご用意しますので、皆さま仕事帰りにお気軽にお立ち寄りください!
~FIGHTING NETWORK ZST~ 「ZST.55」 / SWAT!158 大会詳細▶
常見陽平(つねみようへい)
千葉商科大学国際教養学部専任講師
北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、バンダイ、クオリティ・オブ・ライフ、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。専攻は労働社会学。働き方をテーマに執筆、講演に没頭中。著書に『僕たちはガンダムのジムである』(日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)など