'21年04月18日(日) 「ZST.70」開催!

【ZST.53】 星空よりも高く!激闘の「ZST.53」レポート!
2016/08/10

 8月7日(日)午後6時より、東京・新宿FACEにて夜大会「ZST.53」が開催された。バンタム級のタイトルマッチをメインに、ライト級トーナメント、新設されたストロー級の戦いなど、SWAT!バウト含め、全11試合の激闘が繰り広げられた。

メインイベント(第9試合) 柏﨑 剛 vs 渡部修斗

 昼夜大会を締めくくるメインイベントは、“ZST超新世代のエース” 柏﨑剛と、“仮面シューターJr.”渡部修斗のバンタム級タイトルマッチ。両者は、2年前に対戦しており、その時は柏﨑がTKO勝ちを収めている。

 1R、打撃の応酬から片足タックルにいった渡部がテイクダウン。起き上がる柏﨑の首を取りにいくが、柏﨑は体勢を入れ替えて逆にテイクダウンに成功。しかし渡部も反転し首を取りに。スタンドからコーナーに詰めて上を取った柏﨑は肩固めにいくが、渡部は逃れる。バックについた柏﨑はおんぶ状態でチョークを狙い、渡部が防御するとバックマウントからパウンド。さらに攻め続け、終了間際にはコーナーに詰めてバックからのパウンドを浴びせる。

 2R、またも渡部が先制のテイクダウンに成功し、上からギロチンに。さらにバックにつくとチョークを狙い、柏﨑を苦しめる。しかし柏﨑はオモプラッタから上を取り返すとバックからチョークに。逃れて向き直った渡部は足関節を狙う。起き上がった柏﨑はパウンドを浴びせて形勢を逆転し、ロープ際でチョーク狙い。最終的にはバックからパウンドを連打するとレフェリーが試合をストップ。2R終了1秒前で、柏﨑が王座防衛に成功した。

 試合後、柏﨑は「本気でZSTをもっと高みに持っていきたいので、皆さんに協力してほしいです」と呼びかける。「僕のことは嫌いでもいいので、ZSTに協力すると思ってついてきてください」と、エースとして新生ZSTを盛り上げることを改めて表明した。

 インタビュースペースでは「試合前に負傷して、思うように練習できず不安だった。勝ってホッとした」とコメント。「他団体の王者クラスと闘いたい。パンクラス、修斗、DEEP、GRACHAN……誰でもいい。1回だけ外でもやるので」と全方向に宣戦布告してみせた。

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セミファイナル(第8試合)伊藤盛一郎 vs ユン・ホヨン

 セミファイナルには、現ZSTフライ級王者“グランドスラム・イズム”伊藤盛一郎が登場。4月大会で坂巻魁斗を伝家の宝刀ニンジャチョークで下し、フライ級の王座統一に成功した伊藤は試合後、RIZINへの参戦希望を表明。その伊藤が“韓国のハードヒッター”ユン・ホヨンを迎え撃つ。

 1R、伊藤はアグレッシブに出てくるホヨンのパンチをかいくぐってテイクダウンに成功。ホヨンは下から腕十字を仕掛けてくる。伊藤は逃れて上になるとコツコツと顔面にパンチを落とし、タイミングを見ては大きく振り落としていく。スタンドに戻ると、伊藤は飛びついてギロチン! しかしこれはホヨンが逃れる。伊藤が抱え上げての投げからテイクダウンすると、ホヨンはリバースしてバックマウントも取るなどスピーディな攻防に。2R、腕十字にいくホヨン。極まったかに見えたため客席から悲鳴が上がるが、これは伊藤の独特な逃げ方のためだった。また上になった伊藤はトップからパウンドを連打し、起き上がってタックルに来ようとするホヨンに再度ギロチン!今度は極め方を修正したという伊藤の腕はガッチリと首にハマリ、ホヨンはタップ。

 勝った伊藤は秒殺できなかったことを観客に詫びつつ、再びRIZIN参戦をアピール。榊原信行・RIZIN実行委員長が客席で視察していることを伝えられるとそちらに向き直り、「絶対面白い試合をするので、大晦日、お願いします!」と出場を直訴した。榊原氏も笑顔で拍手し、このメッセージに応える。はたして伊藤の夢は、大晦日に叶うのか?

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第7試合 藤巻 優 vs 伊藤有起

 第二代ライト級王者決定トーナメント一回戦第2試合は、“小岩の破壊王”藤巻優と“グローブは友達”伊藤有起によるストライカー対決。

 1R、先手を取ろうと大振りのパンチを繰り出していく伊藤に、藤巻は右でダウンを奪う。そのまま上になってパウンドを連打するとすぐにレフェリーが試合をストップ。藤巻がわずか51秒で勝利を収めた。試合後、先に決勝進出を決め藤巻にラブコールを送っていた平信一がリングインすると、「僕と富士急行ってください!」と自分の応援うちわをプレゼント。藤巻は苦笑しつつもうちわを持ったまま写真撮影に応じていた。両者による王者決定戦は11月大会で行われる予定。

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第6試合 平 信一 vs 伊澤寿人

 初代王者・小谷直之の返上を受けての第二代ライト級王者決定トーナメント一回戦。“暴走柔術”平信一と、元アウトサイダー王者・“アブダビコマンダー”伊澤寿人が激突。

 1R、組み合うと伊澤がコーナーに詰めてヒザ蹴りを連打。しかし平はテイクダウンし、自軍の赤コーナー付近でコツコツとパウンドを打ち、さらにボディへのヒザで攻める。2Rも両者は組み合うが、応援団からの「投げて」コールに応えるかのように、平が投げからテイクダウンに成功。平は1R同様にパウンド、ボディへのヒザで攻め込むと、レフェリーが試合をストップ。決勝に進出した平はマイクで「藤巻!お前しかいない!俺とやるぞ!」と藤巻との決勝戦を熱望。「11月、チャンピオンになる俺を見に来い!」と叫んで締めた。

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第5試合 正城ユウキ vs 上田貴央

 “湘南のパンサー”正城ユウキに対するは、今回からフライ級に階級を変更した“ZSTの体操お兄さん”上田貴央。

 1R、蹴りとパンチからタックルにいく上田だが、正城は切ってがぶり、ギロチンに移行する展開に。スタンドでは正城のカウンターのパンチがヒット。2Rも同様の展開で、上田に疲れが見えてきたところで、正城の右がクリーンヒットし上田はダウン!すぐに試合はストップされ、正城の衝撃的なKO勝利となった。

 さらなる衝撃を呼んだのは正城の試合後のマイク。「決めてたことなんで。修斗とかで15年やってきて、ベルトとか獲れなくて……夢とかもあったんですけど、こうしてみんなの前で話せることが正解なのかなと。楽しかったです」と引退を宣言。現役生活に別れを告げた。最後は所属するX-ONE GYM湘南や、グランドスラムの仲間たちに囲まれ、胴上げされて笑顔でリングを去っていった。

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第4試合 太田洋平 vs 花輪裕樹

 “四天王グラップリング”太田洋平と、“寝技地蔵”花輪裕樹の、寝技には自信を持つ選手同士の対決となった第4試合。

 1R序盤、太田が前蹴りからバランスを崩して尻餅をつくと、花輪が覆い被さって上になり、パウンドを連打。窮地に立った太田だがスイープしてマウントになり、バックから腕十字を仕掛けにいく。しかし花輪はこれを切り返して再び上になり、バックを経て頭部にパンチを浴びせる。太田は何とかこれをしのぎ、ゴング。2Rはコーナーに詰めた太田がヒザ蹴り連打からテイクダウン。足関節を狙いにいくが、花輪は上体を起こしてパンチで応戦。スタンドに戻り花輪がタックルを仕掛けるが太田はテイクダウンを許さず、花輪の頭部にパンチ。判定は1Rを優位に進めた花輪が取った。

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第3試合 西坂竜彦 vs 勇星

 4月大会では伊藤博之を下した“帰ってきたオッサン柔術”西坂竜彦が連続参戦。対戦相手の“北陸格闘ヒストリー”勇星(いさむ)は、新潟で社会科教師をしながら闘う先生ファイター。

 1R、試合は激しいパンチの応酬で始まり、西坂が右フックをヒットすると上になってパウンド。勇星は下から腕を取りにいく。西坂はその後もタックルからテイクダウンに成功。終盤には西坂のパンチによって勇星は動きが止まってくる。2R、両者それぞれテイクダウンし合う展開になるが、共に体力の消耗が激しく、苦しい展開に。パンチの応酬から西坂が上になったところでゴング。タフな一戦は西坂が判定で勝利した。

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第2試合 澤田健壱 vs 石綱テツオ

 新設定されたストロー級の一戦。“ブルドッグ魂”澤田健壱に、ZST初参戦となる“尾張の弾丸”石綱テツオが挑む。

 1R、澤田の打撃に対し、石綱は投げやタックルでテイクダウンに成功するも、その後の展開は作れず。終盤には石綱が澤田のパンチに入る形でタックルしテイクダウン。2Rは一転して終始スタンドの展開となるが、両者ともいま一歩踏み込めず打撃も単発に。闘いはドローに終わった。

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第1試合 内田龍介 vs 若林康浩

 夜の部の本戦第1試合は40歳を迎えた“アラフォー青春の握り拳”内田龍介と、“越後の寝技大将”若林康浩が激突。

 1R、若林はパンチで突進するとタックルからコーナーに寝かせ、テイクダウンからヒールに。たまらず内田はタップし、わずか36秒で若林が電撃勝利を飾った。

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(文:高崎計三 写真:神谷渚)

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