'21年04月18日(日) 「ZST.70」開催!

【ZST.52】 太陽よりも熱く!熱闘の「ZST.52」レポート!
2016/08/10

 8月7日(日)、東京・新宿FACEにて、昼大会「ZST.52」が開催された。第五代ウェルター級王者決定戦をメインに、GTタッグ、期待の新鋭同士の戦いなど、SWAT!バウトも含め、全10試合の熱闘が繰り広げられた。

メインイベント(第9試合) 山田崇太郎 vs カン・ジョンミン

 本大会のメインイベントは、前王者・濱岸正幸の王座剥奪により第五代ウェルター級王者を決める王者決定戦に。ともに初戴冠に燃えて臨むのは、様々な団体で活躍しグラウンドには絶対の自信を持つ“ミスター・ケトルベル”山田崇太郎と、初の外国人王者に王手をかけた“韓流ダイナマイト”カン・ジョンミン。

 1R開始早々、山田は片足タックルからグラウンドへ。ジョンミンは下から首を取るも、山田は落ち着いて対処しマウントに。ジョンミンが顔を上げると、山田は待ってましたとばかりにギロチンにとらえる。首を抜こうとするジョンミンに、山田は一度立ち上がってキッチリと作り直し、再び倒れこむとジョンミンはタップ。山田が得意技で秒殺勝利を収め、この瞬間に第五代王者となった。

 山田にとってはプロMMAで初のタイトル。ベルトを巻き、誇らしげな顔でマイクを持った山田は「これで終わりでもいいという覚悟で練習しました。練習仲間や、支えてくれた人たちに感謝します」とコメント。さらに「ここ(新宿FACE)から歩いて15分のGENスポーツアカデミーというジムでは、プロの指導が受けられます」と、自らがトレーナーを務めるジムを熱心にアピールした。

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セミファイナル(第8試合) 宇野薫&嶋田裕太 vs 宮田和幸&橋本知之

 セミファイナルでは注目のグラップリング・タッグマッチが組まれた。ともにMMAを牽引する大ベテラン、“総合格闘技のパイオニア”宇野薫と、“ヘラクレス”宮田和幸は同い年ということもあって意識し合う。そんな2人が“BJJボーイ(仮)”嶋田裕太、“どこでもスリーパー”橋本知之という若いながら実績を持つ柔術家とコンビを結成しての一戦。

 試合は宇野対橋本という顔合わせでスタート。橋本が引き込んでバックからのチョークや足関節狙いで奮闘。長時間にわたる攻防でこれをしのいだ宇野は嶋田にタッチ。タッグマッチは初めての橋本は、優位に攻めながら逃げられ、苦笑を浮かべる。代わった嶋田が橋本をアグレッシブに煽ると橋本は宮田にタッチ、嶋田も宇野と交代して宮田と宇野の組み合わせが実現する。宮田がバックを取ると、ジャーマンを期待する観客が大歓声を挙げるが、宇野は投げさせない。その後両軍ともタッチを繰り返し、終盤、再び宇野と宮田の顔合わせに。ここで客席からの「お願いだからジャーマンで投げてー!」という声に応えるかのように、宮田のジャーマンが宇野に炸裂!15分3本勝負のグラップリング・タッグマッチは両軍ともポイントなしのドローに終わったが、どの顔合わせも動きが止まることなく、試合後の四人には大きな歓声が浴びせられた。

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第7試合 倉岡幸平 vs 阿部剛卓

 なんと8年ぶりの再戦となる両者。前回、2008年11月にSWAT!で対戦した際は、スリーパーで“あざみ野のブルージャスティス”倉岡幸平が“松戸のゴリマッチョ”阿部剛卓に勝利。ベテラン同士がリマッチに臨んだ。

 1R、パンチの応酬から試合が始まるが、阿部は組みにいくとニュートラルコーナーで首投げ一閃。そのままケサ固めの体勢にとらえてアームバーを極め、リベンジに成功。秒殺勝利を飾った阿部は歓喜のマッスルポーズ!「前回の対戦で眼窩底をやられていたので、リベンジできてよかった。35歳になったけど、まだまだこれから!」と力強くマイクアピールした。

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第6試合 坂巻魁斗 vs 坂野周平

 4月大会で伊藤盛一郎との王座統一戦に敗れた“BRAVEハート”坂巻魁斗と、昨年11月大会での敗戦(上田貴央戦)をいまだに引きずる“溢れ出す純情な感情”坂野周平が対戦。煽りVでは「ダンスの練習どころじゃない」と入場のダンス封印を予告していた坂野だが、通路に姿を現すと意を決したようにダンス。

 1R、先にテイクダウンに成功したのは坂野。スタンドに戻ると打撃で前進する坂野に坂巻が投げを決めるが、坂野は巻き込むようにして再びテイクダウン。しかし終始落ち着いた表情の坂巻はリバースするとマウントからバックに回り、バックマウントからパウンドを放つ。逃れたい坂野を放さずチョークに入るが、坂野はゴングに救われる。

 2Rは坂巻が先制してテイクダウンすると、1R同様にバックマウントから四の字胴絞めでガッチリキープし頭部にパンチ。最後の最後に坂野が反転するがもう反撃の時間はなく、大部分の時間を制した坂巻が判定勝利。

 勝った坂巻は「ここ(新宿FACE)で負けてから三連敗だったので借りを返しに来た。今日はAKBがさいたまスーパーアリーナで感謝祭をやってるのに行けなくて、その悔しさを全てぶつけてやるつもりだった。これからZSTに限らず、他団体のバンタム級を荒らしたい」とマイクアピールした。

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第5試合 金井塚信之 vs 橘川尋貴

 4月大会では韓国人選手に勝利し波に乗る“ナチュラル・ガル”金井塚信之が、“3、4年に一人の逸材”橘川尋貴を迎え撃つ。

 1R、先にテイクダウンに成功したのは金井塚だったが、橘川は逃れて立ち上がる。打撃の攻防を挟み、一方がテイクダウンすれば相手がスタンドに戻しテイクダウンを取り返すという一進一退の攻防に。しかし2Rに入ると、開始早々に左フックをヒットした橘川がバックに回り、引き倒すようにしてチョークを決め、そのまま一気にフィニッシュ。1Rと打って変わっての速攻で、橘川が嬉しい勝利を上げた。

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第4試合 高橋拓也 vs 竿本樹生

5月には「SWAT!153」のメインで鈴木廣二を下した“取手の太陽仮面”高橋拓也が再び本戦に登場。レスリング・グレコローマンで実績を持つ“ワイルドキャット”竿本樹生と対戦。

 1R、打撃で勝負を仕掛ける高橋は前蹴り、ハイキックを交えて出るが、竿本は一気に間合いを詰めるとテイクダウンしパウンド。高橋が下からラバーガードにいくなど仕掛けを試みると、竿本は立ち上がりスタンドへ。前蹴りを出す高橋に、竿本はパンチで出ると再びテイクダウン。ここでも高橋はラバーガード。2R、打撃の攻防からパンチを入れた竿本がまたもテイクダウン。下から反転を狙う高橋の動きを封じていき、パウンドを連打するとレフェリーが試合をストップ。竿本が勝利を収めた。

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第3試合 川村 謙 vs 関 鉄矢

 “ラスト風サムライ”川村謙と、“ハマのアイアンアロー”関鉄矢の激突は、激しい打撃の応酬からスタート。その中で関が強烈なミドルキックからバックに回ると、おぶさって引き倒し、チョークを狙う。しかし川村は腕を取って反転、アームロックへ。関はこれをしのいでスタンドに戻すと、走り込んでジャンピングキックをヒット! そのまま上を取り、頭部にパンチを入れたところでゴング。2R、やはり打撃の応酬から川村がテイクダウンを狙いにいくが、関は体勢を入れ替えてスタンドに戻すと、パンチでラッシュ。倒れこんだ川村の頭部にパンチを入れ続けると、レフェリーが試合をストップ。関が勢いそのままに勝利した。

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第2試合 松本義彦 vs 諏訪部哲平

 ZST初参戦となる“正当柔術”松本義彦と、“世にも奇妙な寝技”諏訪部哲平の寝技対決。諏訪部は「世にも奇妙な物語」のテーマの中、スーツにサングラスで入場。

 ゴングが鳴ると諏訪部のパンチをかいくぐった松本がタックルからテイクダウンしマウントへ。しかし諏訪部はリバースして上に。松本が下から三角絞めを仕掛けにいくと、諏訪部は持ち上げてバスターで叩きつけ、そのままパウンドを連打。レフェリーが試合を止め、諏訪部の秒殺勝利となった。

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第1試合 龍太郎 vs 前田卓哉

昼夜大会本戦の幕を開ける第1試合は、俳優としても活動する“よこすかMMAパレード”龍太郎と、元プロボクサーで武道の道に邁進する“ブドー・ボクサー”前田卓哉の激突。

 1R、リーチを生かして打撃を繰り出す龍太郎に、前田はテイクダウンを狙う。しかしコーナーでしのぐ龍太郎はヒザ蹴りで応戦。龍太郎はパンチにハイ、ヒザを織り交ぜて優勢に立つ。2R、やはり打撃で前進する龍太郎だが、前田は組みにいくとコーナーに詰めてテイクダウンを狙う。龍太郎が立ち上がっても前田はしつこく仕掛け続け、テイクダウンにも成功するが、ブレイク。スタンドに戻ると龍太郎はパンチ、蹴りを出すが、スタミナの消費が激しく、決定打は与えられない。勝負は判定となったが、前半に打撃で優勢を作った龍太郎が僅差の勝利をもぎ取った。

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(文:高崎計三 写真:神谷渚)

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