4月17日(日)新宿FACEにて夜興行『ZST.51』が開催され、柏﨑剛と上田貴央による、バンタム級注目の一番を中心に激戦が続出。8試合中6試合が一本・TKO決着となった。
メインイベントは現バンタム級王者の柏﨑剛が出陣。現在5連勝中と昇り調子の上田貴央を迎え撃った。両者は2014年の『ZST.41』で一度対戦するも時間切れドロー。しかし、柏﨑は戦前「いまなら自分の一方的な試合になる」と辛辣なコメントを残している。
1R早々、上田は威勢よく右ハイを繰り出す。柏﨑は食らいながらも、上田の足を腕で受け止めると、下から引っ繰り返すようにマットに叩きつける。だが、上田は距離を取ると、今度は勢いをつけて飛びヒザ。すると、柏﨑は突っ込んできた上田の顔面に右ストレート。これで上田は崩れ落ちるも、即座にタックルへ。しかし、柏﨑はそれを押さえつけるとパウンド。それでも上田が立ち上がると、柏﨑は狙いすました左ハイを一閃。これで崩れ落ちた上田に追撃のパウンドを落としたところで、すかさずレフェリーがあいだに入り、柏﨑が戦慄のTKO勝利を収めた。
試合後、柏﨑は「どうすかね? こんなもんです。最近、ZSTが停滞気味ですが、安心してください。ZSTには俺がいるんで。なんか一階級上のチャンピオンがだらしないんで、ベルトもらいに行きます」と二階級制覇を宣言。
すると、ここで昼興行の『ZST.50』で若林康浩からTKO勝利を収めた渡部修斗がリングに現れ、「僕は2年前のあの日から、柏﨑選手とベルトを追い続けてきました。もう、やってもいいんじゃないですか?」と挑戦をアピール。柏﨑は「試合見てました? 俺、強いですよ。死ぬ気で来てください」と返し、余裕を伺わせながら迎撃態勢を示した。
メインイベント(第8試合)/バンタム級ワンマッチ(5分3R)/61.2kg以下契約
○【第二代王者】柏﨑 剛(K-PLACE埼玉格闘技道場)
vs
×上田 貴央(パラエストラTB/GSA)
(1R 1分59秒 TKO)
セミファイナルでは修斗のトップランカーとして活躍し、世界タイトルマッチも経験している正城ユウキが、昨年は本戦で連勝を収め、さらに9月には『VTJ 7th』にも出場を果たした田村淳と激突。
1R、両者はスタンドで激しく攻防。サウスポーのルーキー、田村がベテラン正城を相手に接戦を展開し、ゴング間際には左フックを炸裂させて正城が尻もちをつく場面も。だが、2Rになると正城がタックルでテイクダウンを奪い、グラウンドで田村をコントロールする展開が目立つように。正城はコーナー際で田村を組み伏せると、叫び声を上げながらパウンド。経験に勝る正城が、判定2-0で手堅く勝利。ZST二連勝を飾った。
セミファイナル(第7試合)/フライ級ワンマッチ(5分2R)/56.7kg以下契約
○正城 ユウキ(X-ONE GYM 湘南)
vs
×田村 淳(拳心會)
(判定 2-0)
第6試合では、ひたすら投げを狙う暴走スタイルの平信一と、ウェルター級王座戦で濱岸正幸と5Rを戦い抜いた経験を持つ高橋弘の異色対決が実現。高橋は前戦にあたる『ZST.49』で、ロシア人ファイターに秒殺負けを喫しただけに、仕切り直しの一戦となる。
1R、両者は脇の差し合いから、目まぐるしく身体を入れ替えつつ、攻撃のスキを狙う展開に。グラウンドでは互いにフロントネックロックを仕掛けるが決め手にはならず。2Rに入ると激しくパンチを打ち合い、高橋はバッティングで鼻から出血。だが、要所要所で高橋は小外掛けで平からテイクダウンを奪い、グラウンドでは優勢に。結果、高橋が3-0で判定勝利を収め、ウェルター級トップ選手の意地を見せた。
第6試合/ライト級ワンマッチ(5分2R)/70.3kg以下契約
×平 信一(綱島柔術)
vs
○高橋 弘(蒼天塾)
(判定 0-3)
第5試合では、フェザー級戦線で着実に結果を残してきた金井塚信之が、チュ・ユンソンと初の国際戦。ユンソンはプサンテコンドー選手権で優勝の実績を持つ、韓国の新星。
1R、打撃を積極的に繰り出すユンソンに、金井塚も飛びヒザを繰り出すなど応戦。さらに金井塚は、ユンソンがパンチで踏み込んできたタイミングで胴タックル。グラウンドに持ち込むと、パウンドをまとめていく。2Rに入っても、ユンソンのスタミナは落ちないが、再び金井塚は相手の動きに合わせてタックルでテイクダウン。そしてコーナー際に追い込むと、パウンドから裸絞めに繋いで一本勝ちをスコア。
第5試合/フェザー級ワンマッチ(5分2R)/65.8kg以下契約
○金井塚 信之(リバーサルジム東京スタンドアウト)
vs
×チュ・ユンソン(韓国/東天白山mos mma)
(2R 2分04秒 裸絞め)
第4試合では、過去にフェザー級王座戴冠の実績を持つ森興二が、2014年の『ZST.41』以来、ひさびさの参戦を果たす伊藤有起と対峙。伊藤にすれば森は実兄の健一にKO勝ちを収めている相手だけに、仇討ちの意味合いも持つ一戦。なお、森は契約体重より300gオーバーのため、イエローカード1枚(減点1)からスタート。
1R、序盤から両者は打撃戦。伊藤は森をコーナーに押し込むと、胴タックルでテイクダウン。そして森の右腕を足で固定するとパンチを連発。森はなんとかスタンドに戻すが、伊藤は粘り強くテイクダウン。そしてマウントからパウンドを連発、これを嫌がった森が背を見せると、伊藤はバックチョーク。たまらず森はタップアウト、森が実兄のリベンジを果たした。試合後、マイクを握った伊藤は、ライト級王座挑戦をアピールした。
第4試合/ライト級ワンマッチ(5分2R)/70.3kg以下契約
×森 興二(X-ONE GYM 湘南)
vs
○伊藤 有起(ALLIANCE/TEAMゆでたまご)
(1R 2分41秒 裸絞め)
第3試合では、約2年半ぶりのZST参戦となる元リングス・ジャパンの伊藤博之が、現在2連敗中ながら、寝技テクニックには定評のある西坂竜彦と対戦。伊藤は黒のショートタイツで登場。
1R、序盤から激しい打撃戦を展開する両者。西坂は伊藤のサイドを取ってテイクダウンすると、一気に腕ひしぎ十字固めへ。これがガッチリ極まり、西坂が53秒で秒殺勝利を収めた。
第3試合/ウェルター級ワンマッチ(5分2R)/77.1kg以下契約
×伊藤 博之(ALLIANCE)
vs
○西坂 竜彦(FACT MMA)
(1R 0分53秒 腕ひしぎ十字固め)
第2試合では、破壊力抜群の打撃が持ち味の藤巻優が、あのカン・ジョンミンがお墨付きを与える実力者、キム・ジュンスと国際戦。
1R、手足の長いジュンスは伸びやかなパンチとキックを繰り出していく。なかなか相手の懐に入れない藤巻だが、一気に胴タックルでテイクダウン。猪木アリ状態から藤巻はパウンド。ジュンスもヒザ十字を仕掛けて反撃。だが、その状態から藤巻は強烈なパンチ。そのままパンチを連打すると、レフェリーがストップ。藤巻が豪快なTKO勝利を飾った。
第2試合/ライト級ワンマッチ(5分2R)/70.3kg以下契約
○藤巻 優(パラエストラ小岩)
vs
×キム・ジュンス(韓国/TEAM j.s)
(1R 3分27秒 TKO)
第1試合では、フロントチョークを得意とするグラップラーの藤澤彰紀が、ZSTのアマチュア大会から一歩ずつ上がってきた叩き上げのファイター、野沢零羽と激突。
1R、藤沢は右フックで野沢を後退させると、組みついてテイクダウンし、パウンドを落としていく。野沢も足十字や腕十字を仕掛けて応戦。そして、パウンドを落とす藤沢を三角絞めで捕獲。しかし、藤沢は必死に切り抜けると、負けじとセンタク挟み。両者、目まぐるしく寝技の応酬を繰り広げる。2Rも両者は素早い動きで攻防を展開。最後は野沢が裸絞めから腕ひしぎ十字固めに繋いで一本勝ちを収めた。
第1試合/フライ級ワンマッチ(5分2R)/56.7kg以下契約
×藤澤 彰紀(W-BLOOD)
vs
○野沢 零羽(和神会)
(2R 3分16秒 腕ひしぎ十字固め)
ZSTチャレンジ第2試合/フェザー級ワンマッチ(5分2R)/65.8kg以下契約
×平田 真徳(ALLIANCE)
vs
○花輪 裕樹(RBアカデミー)
(2R 1分34秒 腕ひしぎ十字固め)
ZSTチャレンジ第1試合/無差別級ワンマッチ(3分2R)※GTルール
△澤 宗紀(格闘探偵団バトラーツ)
vs
△マスクドCoCo壱(A.I.総合格闘技道場DOBUITA)
(時間切れドロー)