2月12日、東京都・GENスポーツパレスメディアセンターにて、4月17日(日)に新宿FACEで開催される『ZST.51』(夜大会)の対戦カード発表会見が行われた。
今回、決定したのは現ZSTバンタム級王者の柏﨑剛と、激戦区のバンタム級の中で現在5連勝中と勢いに乗る上田貴央の一戦。両者は2014年の5.25『ZST.41』で対戦し、そのときはドロー。今回は上田の希望が叶うかたちで、ノンタイトル戦ながら“決着戦”がマッチメイクされた。
“ZSTの体操お兄さん”の異名を持つ上田は、念願の一戦を前に「いまから楽しみでワクワクしてます。ベルトという花が添えられてない寂しさはありますが、またあらためてタイトルにたどり着ければ」と、にこやかな表情を見せる。しかし、対する柏﨑は「一回やりましたけど、いまはきっと試合にならない。自分の一方的な試合になる。もう少し練習してください」と、憮然とした口調でバッサリ。
さらに、上田が一度目の対戦後、「またいつか、上(の位置)で戦いたいと思い、彼(柏﨑)が勝ち続けるのを応援してました。勝つたびに喜んでました」と、これまでの王者の活躍を称えるような発言をすると、柏﨑は「(上田選手の試合を観て)そんな試合をしていて、やる気あるのかなと思ってました」と、辛辣な回答。
柏﨑の言葉の刃に対して、「彼はチャンピオンなんで、こういうふうに若くて強いと団体も盛り上がるのかな、と。カッコイイと思います」と、あくまで友好的な態度を崩さない上田。そして、「僕は32で、彼と一回りくらい年の差がありますが、コッチも前回戦ったときよりも掴んでいるものがある。成長した者同士、試合ができるのが楽しみです」と、さわやかに試合への意気込みを語った。
柏﨑といえば、昨年の11.23『ZST.49』で加藤惇を下して王座防衛を果たした直後、年末の『RIZIN』出場をアピールするも、結局参戦は果たせなかった。そのことを踏まえ、いまの『RIZIN』への気持ちを問われると、「いまは一切出る気はないです。もう、ZSTしか出ません。他団体の人も呼んで、ZSTのリングでおもしろい試合ができれば」と、ZSTでファイターとしての道を突き進むことを宣言。この言葉に対しても、上田は「いまの発言はZST愛を感じますね。僕らからすれば頼もしいチャンピオン。でも、僕はRIZINで戦う剛クンを楽しみにしていて(笑)。もし、僕と試合をして気持ちの変化があれば、また大きな舞台に向かってほしい。それでも全然興味ないのであれば、僕が行かせてもらえればと思います!」と、とことんマイペースを貫いた。
ギスギスした空気をまとう柏﨑と、ともすれば格闘家らしからぬ穏やかな雰囲気を持つ上田。正反対の二人によるバンタム級注目の一戦、その勝利の行方は果たして!?
【~FIGHTING NETWORK ZST~「ZST.51」】
ZSTルール/バンタム級/61.2kg以下契約 (5分3ラウンド)
柏﨑 剛(K-PLACE埼玉格闘技道場)
vs.
上田 貴央(パラエストラTB/GSA)
また、会見終了後、上原譲ZST代表が4.17『ZST.50』&『ZST.51』、そして今後の展望として以下のコメントを発表。
■上原ZST代表
「『ZST.51』ではメインでタイトル戦を行うように調整中です。プロ興行を1日で昼夜2回行うのは初の試みですが、今後も新しい試みをいろいろとやっていきたいと思っています。3月にはZSTから2選手、中国で試合を行います。海外での総合ブームを受けて、選手派遣の依頼はあるので、とくに若い選手が経験を積めればな、と。
あと、階級制に関しては、現在のフライ級の下に、52.2kgでもう1回級作ることも考えていきたいと思っています。また、去年に続いて全日本グラップリング選手権の2回目も開催できれば。それと、かつて活躍した40歳以上の選手が試合をする場所を作ることも考えています。すでに何人か、名乗りをあげてもらっているので。そのほか、さらに若い選手を発掘できる場も作っていきたいですね。それについては近日中に発表できれば。
ケージではなくリングという部分も含め、私たちZSTにしかできないことがあると思っているので、今後も選手の特性をいかせるようなマッチメイクができればと思っています」