10月25日(日)、東京都・GENスポーツパレスにて「第1回全日本グラップリング選手権2015」が開催された。
旗揚げ当初からグラップリングに力を入れてきたZSTによる全日本グラップリング選手権。記念すべき第1回大会には賞金総額100万円が用意され、柔術・グラップリングの強豪だけでなく総合格闘家も多数参戦するなど、全日本選手権に相応しい大会となった。
UFCファイターの佐々木憂流迦、元ZSTフライ級王者・八田亮らがエントリーしたフライ級では、下馬評通りに佐々木と八田が勝ち上がり、決勝戦で両者の対戦が実現。いざ試合が始まると、1回戦・準決勝を秒殺勝利している八田が先に仕掛け、ガードポジションから果敢にサブミッションを狙っていくが、佐々木もしっかりとそれに対処する。
そして八田の足関節を潰した佐々木は間髪入れずに八田のバックへ。何とか振りほどこうとする八田だったが、佐々木は長い手足を駆使してポジションをキープし、最後は代名詞とも言える裸絞め(チョークスリーパー)で八田を斬って落とし、UFCファイターの貫録を見せつけた。
バンタム級は1回戦から一本勝ちが続出。”アイアム・イケメン”牧野仁史が現パンクラス王者・清水清隆をヒールホールドで秒殺した試合では会場からどよめきも起こった。
そんなバンタム級で決勝に勝ち進んだのは1回戦・準決勝をフロントチョークで一本勝ちした嶋田裕太と準決勝で牧野を下した村田卓実。様々な組み技大会で実績を残す両者の対戦は、予想通りのハイレベルな攻防となったが、嶋田がフロントチョークを駆使した攻めでペースを掴み、判定勝利で優勝を果たした。
実力者揃いで接戦が続いたフェザー級を勝ち抜いたのは中村”アイアン”浩士だ。1回戦で藤井理夫とのシーソーゲームを制すと、準決勝の西林浩平戦では終了間際に腕十字を極めかけて、決勝進出の切符を掴み取る。決勝では1回戦で徹肌ィ朗を撃破した竹内稔との対戦となったが、1R終了間際にレッグロックを極めて一本勝ち。鮮やかな足関節を披露し、激戦区フェザー級の頂点に立った。
【フェザー級】優勝 中村“アイアン”浩士(CARPE DIEM)
【フェザー級】準優勝 竹内 稔(T.T.M URUSHI DOJO)
4選手参加となったライト級で決勝に勝ち上がったのは太田裕之と渡部拳士郎。太田はプロ修斗で活躍する菅原和政を下しての決勝進出。渡部はホブソン・タカノとの足関節合戦を膝十字で制して決勝進出を決めた。準決勝で左足を負傷し、テーピングを巻いての試合となった渡部だが、スタンドレスリングの攻防で主導権を握ると、1R終了直前に腕十字、2R終了間際にバックポジションのチャンスを演出。手負いの状態ながら太田を振り切り、見事にライト級優勝を果たした。