10月18日(日)新宿FACEにて『ZST.48』が開催され、濱岸正幸がベルトを持つウェルター級タイトルマッチを中心に激闘が続出。全10試合中7試合が一本・KO決着となった。
メインでは濱岸正幸が、2月に久保輝彦を下してウェルター級王座挑戦権を獲得した山田宗太郎を相手に、二度目の防衛戦に臨んだ。1Rは山田が胴タックルからテイクダウンを奪い、持ち前のパワーで濱岸を押さえつけると、着実にパウンドを落としてペースを握る。
苦しい幕開けとなった濱岸だったが、2Rになると得意のパワフルな投げを連発。山田をグラウンドでコントロールする場面が目立つ展開に。3Rにはアクシデントで一時、試合が中断するも、王者は心折れることなく応戦。最後は濱岸がギロチンチョークで絞め続けたところで試合終了。
結果は濱岸が判定2-1で辛勝。両者は2012年1月にも対戦し、そのときは時間切れドローに終わったが、今回は王者が難敵を下して3年越しの決着を果たした。試合後、濱岸はマイクを握ると「きつかったです(苦笑)。でも、これからも防衛を重ねていきたいです。応援よろしくお願いいたします!」と、王者の風格を漂わせながら勝利のアピール。
セミファイナルで行なわれたのは、今後のウェルター級戦線を占う一戦。8月の横須賀大会で約6年ぶりにZST復帰を果たすも、シバターに一本負けを喫した西坂竜彦と、そのシバターから5月に一本勝ちを収めている河西和希が対峙した。試合は開始直後から、両者ともに前に出ていくアグレッシブな展開となるが、河西は西坂が後退すると、そのままテイクダウンから一気にマウントポジションへ。そして、すかさずパウンドでたたみかけ、電光石火の秒殺勝利をゲット。大きなインパクトを残した。
第8試合は今年4戦目を迎え、前戦では関鉄矢から一本勝ちを収めている金井塚信之と、同じく前戦で川村謙を腕十字で斬って落としているベテランの太田洋平が激突。試合は金井塚のスピーディーな打撃に対し、太田も負けじと反撃。さらに2Rには得意のグラウンドに持ち込んでヒールホールドを繰り出していくが、金井塚はこれをディフェンスすると、その後も寝技の展開には付き合わず、あくまでスタンド勝負にこだわっていく。結果は金井塚が判定3-0でフェザー級サバイバルマッチを制した。
第7試合では、今年5月に約1年半ぶりのZST復帰を果たし、貫井義規にアームバーで勝利を収めた阿部剛卓が、パンクラスを主戦場とし、今回がZST初参戦となるストライカーの井関遼と対戦。1R、井関は阿部をテイクダウンするとコーナーまで押し込み、パンチを連発。すると、阿部も不発ながらもバックブローやフライングニールキックなど、トリッキーな攻撃を繰り出していく。2Rに入ると、井関がグラウンドに持ち込み、粘り強くパウンドを落としていく展開に。試合は集中力を切らすことのなかった井関が、判定3-0でZST初戦をモノにした。
そのほか、第6試合では修斗を主戦場とし、今回ZST初参戦を果たした塙真一が、榊原徹と激しく拳が交錯する接戦の末、肩固めで一本勝ち。第5試合に登場した長南亮率いるTRIBE TOKYO M.M.A所属、弱冠二十歳の若松佑弥は、榛葉善也から強烈な右ヒザでダウンを奪うと、そのままパウンドを落としてKO勝利。試合後には「これからもっとガンガンいくので、僕を覚えておいてください!」と力強いマイクアピール。また、第4試合では「俺には友だちも彼女もいない」とネガティブ発言が目立つ“異色の新世代ファイター”坂野周平が、谷川啓に裸絞めで激勝。試合後にマイクを握った坂野は、「生きててよかった! バンタムに風穴をあけたい! みんなを引きずりこんでやる!」と興奮状態に。
なお、会場には10月25日に開催される『第1回全日本グラップリング選手権』のフライ級部門に出場する佐々木憂流迦が来場。リング上から「初のフライ級ということで心配だったんですけど、来週はいい感じで臨めると思います。みなさんに喜んでいただける試合をします」と挨拶。
さらに次大会の11月22日『ZST.49 –旗揚げ13周年大会-』で伊藤盛一郎の同フライ級王座に挑戦する坂巻魁斗、ZSTバンタム級王座戦で激突する王者・柏崎剛と挑戦者の加藤惇(同フェザー級王者)も登場。坂巻は「やっとタイトルまで来たので、調子を上げています。今回はおもしろいカードが揃っていますが、輝けるような試合をしたいと思います」と、10代での王座奪取に向けてアピール。そして、バンタム級王座戦で雌雄を決する両雄は、二階級制覇を狙う加藤が「王者同士の熱い戦いを見せたい」と語れば、迎え討つ柏崎は「バンタム級王者とフェザー級王者の格の違いを見せる」と、堂々宣言。それぞれが大一番に向けて必勝を誓った。