9月17日（木）東京都大久保・GENスポーツパレスメディアセンターにて、11月22日（日）にディファ有明で開催する「ZST.49～旗揚げ13周年記念大会～」の対戦カード発表記者会見が行なわれた。
今回発表されたのは、ZSTフライ級王者・伊藤盛一郎と挑戦者・坂巻魁斗のタイトルマッチ。伊藤は今年の2.22『ZST.44』で八田亮を下し（2R 3分9秒 TKO）、自身初となる王座戴冠を果たすと、続いて8.23『ZST.47』では矢島雄一郎の挑戦を退け（3R 3分51秒 KO）、今回は坂巻を相手に三度目の防衛戦に臨むことに。対する坂巻は昨年の11.23『ZST.43』で本戦デビュー後、師匠である宮田和幸が主催する『BRAVE FIGHT』での勝利を含め、これまでに5連勝を飾り、破竹の勢いでタイトル挑戦にこぎつけた。
ZSTの上原譲代表は、今回の一戦がメインで行なわれることを示唆すると、「21歳の伊藤選手と19歳の坂巻選手が、今年最後のZSTを締めくくります。二人はこれからZST、もしくは他の大きな舞台で何度も戦うライバル関係になると思いますし、この戦いは日本格闘技界の宝になると思います」と、感慨深げにコメント。
続いて、伊藤が「前回の防衛戦から短い間隔になりますが、記念大会には出たかったので、オファーをいただいたときは出場を即答しました」と語ると、坂巻も「去年の12周年大会でプロデビューしたので、記念大会には思い入れがあります。そこでタイトルマッチをやるのは価値あることなのでがんばります」と述べ、揃って記念大会に対する思いをうかがわせた。
また、伊藤はかねてより坂巻の挑戦を時期尚早だと発言しているが、それについて坂巻は「デビューして1年しか経ってない状態なので、そう思われるのが普通。でも、5連勝してそのうち4つの一本勝ちなので、戦績を見れば早いという感じではないと思います」と、力強い口調でコメント。対する伊藤は「ナメんなっていう思いは変わらないです。5連勝と言っても、そこまで強い相手に勝ってるとは思えない。今回、初めて年下の選手の挑戦を受けますが、そんなに甘くないぞっていうのを見せて、ブッ潰したいと思います」と、改めて挑戦者を格下扱いしてみせた、
そして、マスコミより試合展開について質問が飛ぶと、「一本かKOを狙っていくスタイルは、二人とも変わらない。僕は伊藤選手のことをZSTを盛り上げる仲間だと思っているので、記念大会でそういう試合ができれば」（坂巻）、「たしかに二人とも動きまわるので噛み合う試合にはなると思います。メインであればヘタな試合はできないので、1Rからガンガン攻めて早い段階で勝負を決められれば」（伊藤）と、共に激しい試合になることを予想。
さらにこの王座戦後の展望について、坂巻が「僕は日本の格闘技が好きなので、ZSTのチャンピオンが格闘技界を盛り上げるというようにしたい」と目を輝かせると、伊藤も「バンタム級王者の柏崎剛と『来年か再来年、代々木（国立体育館 第二競技場）でZSTをやろう』という話をしていて、それを目指してがんばっています。“日本の格闘技といえばZST”というかたちで盛り上げていきたい」と、こちらも熱い思いを語った。
この二人の強い“ZST愛”を受けて、上原代表は「僕もこの業界に入って16年経ちますが、その年数と近い歳である二人がそう言ってくれるのは感慨深いです。13年前、リングスが終わってどうしようかというところから始まったのがZSTです。最初は矢野卓見選手、今成正和選手、所英男選手、小谷直之選手の“ZST4兄弟”でスタートし、 いまは新しい2015年のZST、進化したZSTを二人が見せてくれると思います。ほかの団体さんにも誇れる試合になるでしょうし、多くのかたがたに見てほしい戦いですね」と、改めて若い両雄の王座戦への期待を述べた。すると、伊藤は「13周年というのはZSTの誕生で、イコール上原さんの誕生日だと思うので、メインは会場がぶっ壊れるくらい盛り上げて最高のプレゼントを贈りたい」と、さらなる“ZST愛”を披露し、思わず上原代表も笑みをこぼした。
会見の最後、改めて試合への意気込みを問われた両雄は、「このベルトは田沼さん（良介）も巻いたし、グランドスラムのベルトだと思ってます。『ゼッテー、負けねー！』っていう気持ちで臨みます」（伊藤）、「タイトルマッチは格闘技人生で一番価値がある戦い。そこはうれしいですけど、いつもどおりの自分でがんばります」（坂巻）とコメント。決戦まで約2カ月。ZSTの未来を背負う二人は、記念大会でどんな戦いを見せてくれるのだろうか？
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