2月22日『ZST.44』でTeam DATEの若頭、伊達聖王と対戦するハードパンチャー、渡辺竜也。しかし、昨年は持ち前の爆発力を発揮できず、4戦1勝3敗という不本意な結果を残すことに。2015年の戦い始めを前に、いま渡辺の胸に去来するものとは?
【開催】2015年2月22日(日)
【大会】ZST.44
【時間】
開場14:00
第1部SWAT!バウト開始14:10 第2部本戦開始16:00
【会場】ディファ有明
――まず、前戦にあたる昨年11月23日『ZST.43』のvs柏崎剛を振り返ってもらえますか?(結果は2R3分32秒、柏崎がフロントチョークで一本勝ち)。
渡辺 え~と、それは反省っていうことですか?(苦笑)。
――反省というか、試合前に「次は正念場」という発言があったのと、キャリア初の連敗を喫したという部分で、率直にどういう気持ちなのかな、と。
渡辺 たしかに柏崎戦は試合前は意気込んでたんですけど、結局「前回と同じような戦いをしてしまったな」という感じですね。前はセコンドから試合後に厳しい声をもらうこともあったんですけど、今回は圧倒的に負けちゃったんで、周りも柏崎選手のことを讃えつつ、ボクのことはサラーっていう感じでしたね(苦笑)。
――なるほど(苦笑)。
渡辺 ボク、前まではなかなか負けなかったんですけどね。負けても相手に“逃げ勝ち”されたみたいなのが多かったですし、試合のなかで正直、「自分はどのくらい強いんだろうな」っていうのを探りながら戦ってたというか。でも、前々回の八田戦から連敗して(8月31日『ZST.42』、八田が腕ひしぎ十字固めで一本勝ち)、「ホントはオレって弱いんだな、こんなもんか」って思い知ったというか。
――自分の中で壁を感じている状態ですか?
渡辺 う~ん、スランプとは言いたくないですけど……。なんていうか、“勝負”にいけないですよね。怖さってわけじゃないんですけど。
――いま、そういう状態の中で、「自分にはまだ伸びシロがある」という思いはありますか?
渡辺 それはあるんですけどね。いま、まだ自分はベースもできてないって言い方はアレですけど、もう伸びシロしかないと思ってるので。逆に言えばいままでがうまくいきすぎてたというか。まあ、伸びシロがあると思ってるからこそ、まだ格闘技を続けていこうって気持ちにもなるので。「これ以上、伸びないな」と思ったら辞めるでしょうし。
――自分への期待がモチベーションに繋がっている、と。いまは格闘技の難しさに直面している感じですかね?
渡辺 ああ、そうだと思います。簡単には勝てないというのも最近、重々わかってきましたし、やらなきゃいけないことも理解してるし。自分のできない部分しか見えてないというか。
――そして今回、伊達聖王選手と相まみえますが、相手の印象はいかがですか?
渡辺 ボク、ほかの選手に関して疎いので、まだ試合は観たことないんですけど、伊達シリーズのリーダー的存在ですよね?
――伊達シリーズ(笑)。たしかにTeam DATEでは一番ZSTへの参戦経験が多い選手ですね。
渡辺 周りからは打撃ができる選手って聞いてるので、自分のファイトスタイル的には戦いやすいというか、試合自体も盛り上がると思ってます。前に伊達シリーズの選手と戦ったときは倒しきれなかったので(伊達悟に判定勝ち)、「その選手をブチのめせなかったのにリーダーに勝てんのか?」っていう心配みたいなのもありますけどね。
――警戒はしている、と。
渡辺 もう寝技は八田選手とか一番上の技術を体感してるし、極められないっていう自信はあるので、打撃に集中していこうかなって感じです。
――渡辺選手が打撃で勝つ姿を待っているお客さんもいると思います。
渡辺 そうですね。まあ、ボクが一番、KOで勝つのを待ってはいるんですけど(苦笑)。ボクを知ってる人は「KOがある選手」っていうふうに見てくれてると思うので、ひさびさにKOで試合に勝って、「これが渡辺竜也だ」って思ってもらえるような姿を見せたいですね。やっぱり、勝たなきゃおもしろくないので。まあ、考えすぎても力みすぎてもしょうがないし、今回は“チャレンジ”を胸にがんばりたいと思います。
――イケイケだった頃に比べると、発言も少し謙虚ですね(笑)。
渡辺 はい、「オレ、なんでこんな謙虚になってんだ?」って自分でしゃべってて思っちゃうんですけど(笑)。まあ、この日だけはキャラを変えようかな、と。
――で、勝ったらまた以前の勢いのように戻る、と?
渡辺 そうですね! 勝ったらピノキオですから、鼻はどんどん伸びますよ(笑)。今年はこの試合をきっかけに、その鼻がヘシ折られないようにしていきたいですね。