8月31日『ZST.42』では、渡辺竜也との試合を制し、第二代フライ級チャンピオンとなった八田亮。2月22日『ZST.44』伊藤盛一郎戦では、ついに初の防衛戦を闘うことになる。が、なんと八田自身は今大会を機に、格闘技とは別の道に進むことを決意していた。はたしてその理由とは? そして、最後に伊藤と闘う意義とは?
【開催】2015年2月22日(日)
【大会】ZST.44
【時間】
開場14:00
第1部SWAT!バウト開始14:10 第2部本戦開始16:00
【会場】ディファ有明
──今大会は八田選手にとって、初の防衛戦となるわけですが……、なんと、この試合が最後とうかがいました。
八田 はい。そうですね。
──やはり、それは本当なんですね……。そういう気持ちはいつから?
八田 完全にそう思うようになったのは、やっぱりベルトを獲ってからです。だから、本当はチャンピオンになったら辞めようと思ってたんですけど、チャンピオンになってからでも一回は闘っておいたほうがいいのかなって。
──そもそも、ラストマッチにするというのはどういう理由で?
八田 うーん、なんですかね。いま、ボクは居酒屋で働いているんですけど、格闘技よりもそっちの仕事に全力を注ぎたいなと思っているんですよ。だから、本格的に料理人になりたいなと思っているんです。
──あ、では、もう格闘技自体から離れる、と。
八田 そうです、そうです。ほかの団体に移って闘うとかではないですね。格闘技自体を……辞めるとまでは言いたくないんですけど、まあ一時休止というと一番この状況にシックリくるんですかねえ。
──一時休止ですか。
八田 だから格闘技どうこうではなくて、格闘技よりもボク自身は料理のほうに集中して頑張りたいなということです。
──その思いを周り方に伝えた時の反応はどうでした?
八田 もったいないねえって。みんなからそう言われましたね。でも、もったいないも何も、自分がやりたいことが料理の方にいっちゃったので。そういう気持ちになったらもう止められないですよね。
──スイッチ自体が切り替わってしまった、と。
八田 なので、次はそっちの方でチャンピオンになりたいです。
──ちなみに、どういう方面の料理を習得しようと考えているんですか?
八田 いまは居酒屋で働いているんで、レストランとかそういうところのメニューじゃなくて、居酒屋という業態の中での料理をやっていきたいと思います。
──現在の料理の腕前というのはどんな感じなんでしょう?
八田 まだまだ修行中ですねえ。正直言って、格闘技しかやってこなかったから、そのツケが回ってきています(笑)。もう、格闘技より難しいかもしれないですね。
──そうですか……。いやあ、しかし八田選手の試合を見られなくなるというのは寂しいですね。
八田 少しの間、格闘技活動を休止させていただく形で。
──そのケジメの闘いとして、2月22日『ZST.44』では、伊藤盛一郎選手と闘うことが決定しています。
八田 はい。ボクの中では、伊藤くんを倒したらもういいんじゃないかなと思っているんですよ。
──ということは、伊藤選手とは闘いたい気持ちがあったんですね。
八田 うーん、厳密に言うと、闘いたいとは思ってないです。だって、強いじゃないですか、伊藤くん。もう、すべてのバランスがいいというか。打撃、テイクダウン、寝技、けっこう何でもバランスよくできる選手なので、闘いたいとは思ってないんですけど、闘わないといけないなって。
──闘いたくないのに闘う。つまりどういうことなんですか?
八田 だからボクとしては、今大会は今まで応援してくれた方への恩返しのつもりで闘う試合ですね。今回を機に活動休止することは、試合前からみんなに言って回ってるので。その舞台で闘うのは、もう伊藤くんしかいないんじゃないかということです。
──なるほど。
八田 なので、今までは格闘技というジャンルでお客さんを熱くしてきましたけど、今度は舞台を変えて、料理というジャンルでお客さんを幸せにしていければなと思っていますので。
──わかりました。では、今回は八田選手のリング上での“最後の勇姿”ということで。
八田 やりたくなったら戻ってくるかもしれないので……(笑) “活動休止前の勇姿”でお願いします!