2020年7月26日(日)ゴールドジムサウス東京アネックスにて無観客・有料配信形式で、Athletic株式会社 presents ZST「GTF.4」が開催。
60kg以下、75kg以下、90kg以下での8人制ワンデートーナメントに加え、伊藤盛一郎やハイサム・リダなど人気選手も出場するスペシャルワンマッチも行われ、全階級に選手を送り込み、GTF完全制覇を目論んでいたIGLOO勢、米倉大貴(60kg以下)山中健也(75kg以下)、イゴール・タナベ(90kg以下)の3人が優勝。有言実行を成し遂げた(試合写真は後日追加)
▼第25試合 90kg以下トーナメント決勝戦 GTFルール 10分1R
〇イゴール・タナベ(IGLOO)
一本 2分52秒 ※腕ひしぎ十字固め
×グラント・ボグダノフ(KUSSANO TEAM)
※タナベがトーナメント優勝
すぐに引き込むタナベが腕を取って三角絞め狙い。脱出したボグダノフは足を取りへ。タナベも足関節で応戦する。クロスガードのタナベは下から腕十字を仕掛けて一本勝ち。3月のGTF.3フェザー級トーナメントで優勝した岩本健汰に続いて、IGLOO勢が全階級制覇となった。
子供抱えながらマイクを握ったタナベは「IGLOOのみんなが優勝して、初めて子供の前で試合をして勝てて最高です。苦しい時、特に減量の時にストレスが溜まっていたけど、一緒に乗り越えることができたのは奥さんのおかげです。僕はモッティ(=岩本健汰)に影響されて、本当はヒールを極めたかったんですけど、3試合とも腕を取れて良かったです。決勝は一緒に練習してきたグラントとやれて凄く良かったです。IGLOOが4階級を制して最高です。今後は誰とでもやるので、90kg級で俺より強いと思う人がいたらやりましょう」と話した。
●勝村プロデューサー総括
「募集した時点から僕が一番ワクワクして出場選手を選び切れず予選会から行い、今日はみんながいい試合をしてくれました。60kg以下トーナメントでは、優勝候補の清水選手はオファーした時から『僕は面白い試合はできないですが勝てます。あのルールならオーバータイムに行って極めさせず、僕がチョークで勝ちますよ』と言っていて、まさにその作戦通りの戦いをしていました。どう清水に勝つのかがテーマになると思っていたら、米倉選手は足関節の秒殺の連続で凄かった。今日はこの組み合わせでしたが、柔術勢とMMA勢を入れ替えても面白いですし、他にも八田(亮)君はじめ、MMAで出たい選手がたくさんいるのでこの階級は面白い。ストップザ米倉も面白いし、米倉選手が対戦熱望していた松本義彦選手との対戦も実現したら面白いので早速動きます。75kg以下トーナメントは、全試合が拮抗していて誰が勝ってもおかしくない中で、山中健也選手と世羅智茂選手が勝ち上がってきて最後に山中選手が極めて、IGLOO勢の勢いを感じました。今後、誰が止めるのでしょうか。90kg以下トーナメントはIGLOOのためのトーナメントと言われていて、そこにレダ・メブトゥシュがどう食い止めるかがテーマの中で、まさかの谷口実選手の一本勝ちでした(笑)。『世界で僕しか知らない足関節技がある!』と谷口選手は応募してきて、この情報化社会でそんな技があるか? と思っていたら、あった(笑)。これからも谷口選手を使いまくって強豪選手を当てて育てていきたいですね。GTFでグラップリングの凄さ、面白さは伝わったと思います。しかもグラップリングはネット生配信と相性がいいんです。今回はコロナの影響でお客さんを入れられませんでしたが、お客さんを入れての配信も考えていきます。タイミング的に次は10月にはやりたいですね。MMAの選手もどんどんグラップリング大会に出てきてほしいですし、これからのGTFに注目して下さい」
▼第24試合 75kg以下トーナメント決勝戦 GTFルール 10分1R
〇山中健也(IGLOO)
オーバータイム ※1分28秒で山中は先攻・世羅のバックをエスケープ、1分59秒で後攻・山中がバックから腕十字で一本
×世羅智茂(Carpe Diem)
※山中がトーナメント優勝
跳びつく山中がフロントチョーク。これを凌いだ世羅もフロントチョークで反撃。首を抜いて脱出した山中に、世羅は再びフロントチョーク、そして腕十字を仕掛けて追い込むが、腕を伸ばされた山中は耐えきる。今度は山中が反撃に転じサイドポジションを奪うとフロントチョークで絞り込む。脱出した世羅に密着する山中はオモプラッタ、足関節狙い。腕を抜いた世羅も最後まで攻めて時間切れ。延長戦では、先攻・世羅のバックからの攻めを1分28秒で山中がエスケープ、後攻・山中がバックからスリーパー。これが極まらないとみるやすぐに腕十字に移行し、残り時間1秒のところで一本勝ちした。
優勝した山中は「大貴とかイゴールみたいに綺麗に一本取りたかったのですが、これが僕の実力です。これまでいろいろな人にお世話になって練習してきたことをしっかり出して勝とうと思っていました。オーバータイムでは勝ちが決まっていたのですが、モッティと青木(真也)さんが(世羅と)引き分けだったので僕は一本取ろうと思いました。僕と練習している色んな人のおかげで、優勝することができました。これからもグラップリングの大会に出て、セミナーの要望があれば受けるのでよろしくお願いします」とアピールした。
▼第23試合 60kg以下トーナメント決勝戦 GTFルール 10分1R
〇米倉大貴(IGLOO)
一本 18秒 ※ヒールフック
×清水清隆(TRIBE TOKYO M.M.A)
※米倉がトーナメント優勝
決勝戦でも変わらず滑り込むように足を取りに行く米倉は清水の足をキャッチ。一度は逃げた清水だが、米倉はヒールフックを極めて鮮やかに一本勝ち。オール一本勝ちで優勝した米倉は「今回優勝できたのは、IGLOOのオーナーの斎藤穂高さん、僕と練習してくれた選手のみんな、そして内ヒールを教えてくれたモッティのおかげです。(決勝戦は)最後なのでスタミナが切れてもいいので足にしがみ付いて内ヒールを狙っていこうと思っていました。僕がグラップリングで一番尊敬している松本義彦選手、このチャンピオンを賭けて僕と対戦してください」とアピールした。
▼第22試合 スペシャルワンマッチ GTFルール 無差別級 10分1R
△ハイサム・リダ(Carpe Diem)
ドロー ※時間切れ
△アンディ・コング(パラエストラ小岩)
長身のリダが差し合いの中で抑え込もうとするが、コングは柔らかい動きでいなしていく。グラウンドになるとリダが跳びついてバックからチョーク、膝十字、腕十字と次々と技を仕掛けていくが、コングはいずれも潰して対処。リダの技をコングが凌ぐ展開となり時間切れの引き分けに終わった。
▼第21試合 スペシャルワンマッチ GTFルール 65kg以下契約 7分1R
〇伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラム)
一本 3分18秒 ※膝十字固め
×橋本圭右(PHYSICAL SPACE)
伊藤が次々とタックルを仕掛けて上を取ってプレッシャーをかけ、橋本が凌ぐ展開。伊藤はフロントチョークを極めかけたが逃げられる。ガードポジションの橋本に、伊藤は足に照準を定めると膝十字固めを仕掛けて一本勝ち。
マイクを握った伊藤は「始まって30秒以内で仕留められると思ったのですが、橋本選手は粘り強かった」と話す。次戦は8月10日のRIZIN出場が決まっており、「残り2週間しかありませんがZSTファイターとしてここでGTFに出ないとダサいなと思ってました。自分が今までZSTでやってきたことを信じて自分の動きを出そうと思います。ZSTからは関鉄矢選手、竿本樹生選手が出て、いつもはライバルですがZSTの強さを証明してくるので応援して下さい」とアピールした。
▼第20試合 90kg以下トーナメント準決勝 GTFルール 7分1R
〇グラント・ボグダノフ(KUSSANO TEAM)
一本 13秒 ※アンクルホールド
×谷口実(RBアカデミー)
開始と同時に突っ込むようなタックルを仕掛けたボグダノフがテイクダウン。谷口の足をキャッチしてアンクルホールドで秒殺した。
▼第19試合 90kg以下トーナメント準決勝 GTFルール 7分1R
〇イゴール・タナベ(IGLOO)
一本 3分52秒 ※腕ひしぎ十字固め
×柳井夢翔(リバーサルジム新宿Me,We)
ひき込む柳井に対し、タナベは足をキャッチしてバックに付く。一旦離れると、座る柳井の腕を取ったタナベは腕十字を仕掛けて一本勝ち。
▼第18試合 75kg以下トーナメント準決勝 GTFルール 7分1R
〇山中健也(IGLOO)
一本 4分9秒 ※スリーパーホールド
×小川智也(リバーサルジム新宿Me,We)
座る小川に、山中は自ら中に入ってパスガード狙い。下のポジションの小川は足関節を仕掛けるが、山中は冷静にこれを潰してバックを取るとスリーパーホールドを極めて一本勝ちした。
▼第17試合 75kg以下トーナメント準決勝 GTFルール 7分1R
〇世羅智茂(Carpe Diem)
オーバータイム ※6秒で先攻・世羅が腕十字で一本、27秒で世羅は後攻・高木の腕十字をエスケープ
×高本裕和(高本道場)
世羅が積極的にヒールホールドを仕掛け、高木はこれを凌いでパスガードを仕掛ける展開が続く。お互いに決定的な場面を作れずに延長戦へ。先攻・世羅が6秒で腕十字で一本を取り、後攻・高木の腕十字を世羅が27秒でエスケープ。世羅が決勝へ。
▼第16試合 60kg以下トーナメント準決勝 GTFルール 7分1R
〇清水清隆(TRIBE TOKYO M.M.A)
オーバータイム ※26秒で高橋が先攻・清水のバックをエスケープ、6秒で清水が後攻・高橋の腕十字をエスケープ
×高橋サブミッション雄己(和術彗舟會新宿HEARTS)
清水が高速タックル、カニバサミなどを次々と仕掛けて上になる場面が続くも、下の高橋はガッチリと防御を固めてそこからの展開を許さない。本戦では決着付かず、延長戦へ。先攻・清水のバックからの攻めを26秒で高橋がエスケープ、後攻・高橋の腕十字を6秒で清水がエスケープし、清水が決勝行きを決めた。
▼第15試合 60kg以下トーナメント準決勝 GTFルール 7分1R
〇米倉大貴(IGLOO)
一本 27秒 ※ヒールフック
×井出智朗(エクストリーム柔術)
一回戦と同じく速攻で足を取りに行った米倉がヒールフックで鮮やかに一本勝ち。
▼第14試合 スペシャルワンマッチ GTルール 70kg以下契約 7分1R
〇藤代晃精(SORA BJJ)
一本 4分57秒 ※アンクルホールド
×小野隆史(フリーダムOZ)
お互いに足関節を狙う中、藤代がアンクルホールドを極めて一本勝ちした。
▼第13試合 90kg以下トーナメント一回戦 GTFルール 7分1R
〇谷口実(RBアカデミー)
一本 4分20秒 ※フットロック
×レダ・メブトゥシュ(Carpe Diem)
引き込んでクロスガードの谷に対し、レダがパスガードしサイドポジションへ。足を取りに行くレダはいったん谷に逃げられたが、マウントポジションを奪う。レダが上体を起こしたところ、すかさず谷はレダの足にしがみついてフットロックを極めて一本勝ち。「世界で僕しか知らない足関節技がある!」との猛烈アピールで参戦を決めた谷口が、その足関節で優勝候補レダを破る番狂わせを起こした。
▼第12試合 90kg以下トーナメント一回戦 GTFルール 7分1R
〇グラント・ボグダノフ(KUSSANO TEAM)
オーバータイム ※64秒で先攻・ボグダノフがスリーパーで一本、24秒でボグダノフは後攻・濱岸のバックをエスケープ
×濱岸正幸(U-FILE CAMP登戸)
両者ともにラッシュガードを着用せず、身体をぶつけて激しい差し合いが続く。濱岸がフロントチョーク、バックからチョークを仕掛け、ボグダノフもバックチョーク、足関節とお互いに一本狙い。本戦では決着付かず、延長戦では先攻・ボグダノフが64秒でスリーパーを極めて一本、後攻・濱岸はバックから攻めるも24秒でボグダノフがエスケープ。ボグダノフの勝利。
▼第11試合 90kg以下トーナメント一回戦 GTFルール 7分1R
〇柳井夢翔(リバーサルジム新宿Me,We)
一本 6分41秒 ※アンクルホールド
×高橋快人(エクストリーム柔術)
下になる柳井がアキレス腱、上を取るとアームロック、フロントチョークと高橋を攻める。更にマウントポジションを取った柳井は三角絞めへ。これが逃げられると、残り僅かのところで柳井はアンクルホールドを極めて一本勝ち。
▼第10試合 90kg以下トーナメント一回戦 GTFルール 7分1R
〇イゴール・タナベ(IGLOO)
一本 5分10秒 ※腕ひしぎ十字固め
×内藤由良(リバーサルジム横浜グランドスラム)
タナベが下になる展開が続く。立ち上がるタナベが胴タックルを仕掛けると、内藤が反転させて上を取る。下のタナベは三角絞めから腕十字を極めて一本勝ちした。
▼第9試合 75kg以下トーナメント一回戦 GTFルール 7分1R
〇山中健也(IGLOO)
オーバータイム ※23秒で山中が先攻・渡部の腕十字をエスケープ、21秒で後攻・山中がスリーパーで一本
×渡部拳士郎(スーパータイガージム)
下から足を取りに行く山中がヒールホールドを仕掛けて、ひたすら渡部が凌いでいく展開が続く。本戦では決着が付かずに延長戦へ。先攻・渡部の腕十字を23秒で山中がエスケープし、後攻・山中が21秒でスリーパーを極めて一本勝ちした。
▼第8試合 75kg以下トーナメント一回戦 GTFルール 7分1R
〇小川智也(リバーサルジム新宿Me,We)
オーバータイム ※15秒で小川が先攻・竹内のバックをエスケープ、37秒で後攻・小川が腕十字で一本
×竹内稔(Carpe Diem)
跳びついた小川に対し、竹内はパスガードを狙う展開が続く。小川はフロントチョークを仕掛けたが極めきれない。終了間際に小川が腕十字も狙ったがここで時間切れ。延長戦、先攻・竹内のバックからの攻めを15秒で小川がエスケープ、後攻・小川が37秒で腕十字を極めて一本勝ちした。
▼第7試合 75kg以下トーナメント一回戦 GTFルール 7分1R
〇高本裕和(高本道場)
オーバータイム ※6秒で高本が先攻・鹿志村の腕十字をエスケープ、32秒で後攻・高本が腕十字で一本
×鹿志村仁之介(IGLOO)
引き込む高本に、鹿志村はフロントチョーク。その後も鹿志村は積極的に足を取りに行くが、高村は取らせず本戦終了。延長戦、先攻・鹿志村の腕十字を6秒で高本がエスケープし、後攻・高本が32秒で腕十字を極めた。
▼第6試合 75kg以下トーナメント一回戦 GTFルール 7分1R
〇世羅智茂(Carpe Diem)
オーバータイム ※14秒で寒河江が先攻・世羅の腕十字をエスケープ、12秒で世羅が後攻・高本のバックをエスケープ
×寒河江寿泰(トイカツ道場/今成柔術)
座った寒河江が足を取りに行き、世羅がパスガードを狙う攻防が続く。下から寒河江が三角絞めを極めかけ、世羅もパスガードするなどの動きがあったがお互いに決め手に欠け延長戦へ。先攻・世羅の腕十字を14秒で寒河江がエスケープしたのに対し、後攻・高本のバックからの攻めを12秒で世羅がエスケープし、世羅が勝利した。
▼第5試合 60kg以下トーナメント一回戦 GTFルール 7分1R
〇高橋サブミッション雄己(和術彗舟會新宿HEARTS)
一本 46秒 ※ヒールフック
×堤宏太(福住柔術)
お互いに座る中、高橋が堤の足をキャッチ。速攻でヒールホールドを仕掛けて堤から一本勝ちした。
▼第4試合 60kg以下トーナメント一回戦 GTFルール 7分1R
〇清水清隆(TRIBE TOKYO M.M.A)
オーバータイム ※19秒で先攻・清水がチョークで一本、14秒で清水が後攻・後藤の腕十字をエスケープ
×後藤貴史(ALMA FIGHT GYM HOMIES)
引き込むように跳びつく後藤がオープンガード。清水は上から押さえて展開を作らせない攻防が続く。お互いに攻めあぐねて本戦終了。延長戦となり、先攻・清水が19秒、チョークスリーパーで一本を取り、後攻・後藤の腕十字を14秒で清水がエスケープ。清水が準決勝進出。
▼第3試合 60kg以下トーナメント一回戦 GTFルール 7分1R
〇井出智朗(エクストリーム柔術)
一本 4分47秒 ※チョークスリーパー
×潤鎮魂歌(総合格闘技ハーヴェスト)
跳びつく潤が下になると、井出はパスガード狙い。上を取った潤に対し、井出が一瞬の隙を突いて上のポジションを取り返すと肩固めへ。それが極まらないとみるや、バックに付いてチョークスリーパーで潤をタップさせた。
▼第2試合 60kg以下トーナメント一回戦 GTFルール 7分1R
〇米倉大貴(IGLOO)
一本 40秒 ※ヒールフック
×渋谷カズキ(高本道場)
※米倉が準決勝に進出
滑り込むように足関節を取りに行った米倉。渋谷も足を取りに行くが、米倉がヒールフックで絞り込んで秒殺勝利した。
▼第1試合 スペシャルワンマッチ GTFルール 78kg以下契約 7分1R
△大浦マイケ(IGLOO)
ドロー ※時間切れ
△松本大輔(IMNグラップリング)
大浦は豪快な内掛けで2度のテイクダウンに成功。パスガードを仕掛ける大浦に対し、下の松本は腕十字狙い。これを防いだ大浦はマウントポジションへ。足関節を狙う松本だが極めきれない。終盤、大浦は横になって「こい」とばかりに挑発。足関節に行く松本に、大浦はパスガード。残り時間僅かのところで大浦が三角絞めを仕掛けるも時間切れ。この試合はドローに終わった。