'21年04月18日(日) 「ZST.70」開催!

初開催の横浜が燃えた!「ZST.62」大会レポート!
2018/11/01

▼第11試合 メインイベントZSTライト級タイトルマッチ
ZSTタイトルマッチルール ライト級5分3ラウンド
〇 小金翔(フリー)
判定3-0
● 平信一(綱島柔術)
※小金がZST第3代ライト級王者に

「打倒ボブ・サップ」をかかげ無差別級の試合にも挑んで来たライト級王者・平は現在7連勝中。うち5勝がTKOという破壊力のある打撃と豪快な投げ技が武器だ。今回が2017年11月以来の試合となる。
対する挑戦者・小金はこれまでDEEPやパンクラスの他、海外団体での試合経験もあり、昨年5月にZSTに参戦以来4勝1分けと無敗を誇る。
当初ノンタイトルの予定だったこの試合だが、王者である平からの強い要望によりタイトルマッチとなった。

1R、突貫ファイトが持ち味の王者が開始後すぐに突っかける。左右のフックから小金をロープへ押し込み、近距離からボディへパンチを連打。平はコーナーへ押し込んでからテイクダウンを狙う。しかし小金はこれをしのぎ逆にテイクダウンを奪う。コーナー際で尻餅をつかせた状態から上手く平を寝かせる小金、技術の高さが窺える。
対する平は瞬発力で下のポジションから脱出すると一直線に小金へ突っ込んでいく根性ファイト。

その圧力に両者がロープの隙間から場外へ飛び出しそうになることも。小金は平のテイクダウンをしっかり防ぎ、逆にマウントを奪いパウンドを落としていく。

2R、ゴングと共に平が突っ込む。組みから小金の股下に手を入れて強引に引っこ抜くように持ち上げるとそのまま後ろに投げっぱなし、観客を沸かせる。

しかし小金はすぐに立ち逆にテイクダウン。突進から押し込んでのテイクダウンを狙う平に小金はしっかりと対処し続ける。

3R、変わらず前へ出続ける平だが、さすがに体力が尽きてきたか組みでは簡単に倒されてしまう。グラウンドになると小金はバックを奪ってチョークを狙うが平はあと一歩のところで粘り続ける。最後は小金が腕十字に変化し、平がそれをしのいだところでゴング。

判定は3-0で小金。確かな技術力を見せ、ライト級新王者となった。

▼第10試合 セミファイナル ZSTルール フライ級5分2ラウンド
〇 竿本樹生(BRAVE GYM)
判定3-0
● 伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラム)

フライ級のシングルマッチは新旧王者対決。

2017年に伊藤がRIZIN出場のため返上したベルトを巻くのが、レスリングをバックボーンに持ち今年5月に王者決定戦を制した竿本だ。

RIZIN帰りの元王者と現王者、ZSTフライ級頂上決戦とも言える一戦を制するのはどちらか。

1R、まずは前手を伸ばして距離を測りあう両者。コンパクトな構えから真っすぐのパンチを上下に散らす伊藤に対し、竿本はタイミングを見て大ぶりのパンチを思い切り良く放っていく。組みの攻防にはなるが互いにすぐ離れ、その際に竿本がパンチを振っていく。

2R、伊藤がワンツーからドンピシャのタイミングでタックルに入り王者に尻餅をつかせるが、竿本はすぐに立つ。伊藤は四つから引き込んで寝技に持っていくも竿本は抜けて上からパウンド。さらにスタンドでもアグレッシブに左右のフックを出していく。何とかペースを崩したい伊藤は終盤飛びつき三角や足関節で攻めるも竿本はしっかりとしのぐ。

判定は3-0で竿本、実績で大きく上回る元王者から、22歳の若き現王者が殊勲と言える勝星を挙げた。

▼第9試合 ZSTルール フェザー級5分2ラウンド
△ 島村裕(総合格闘技宇留野道場)
ドロー ※1-0
△ 渡部拳士郎(フリー)

ローリングサンダーと呼ばれる足を使ったアームロックを必殺技に持つ島村に対し、渡部は柔道ベースでブラジリアン柔術でも黒帯を巻く寝技の実力者。「寝技では自分が圧倒的に上」と豪語する渡部とその勝利のほとんどをサブミッションで収めてきた島村、どちらも極めの強さを持つ。

1R、島村が打撃でプレッシャーをかける。強いローを蹴ると一発目から渡部の身体が泳ぎ、渡部はなかなか前に出られない。しかし島村の蹴り足を抱えてテイクダウンに成功すると、ハーフガードからしっかりと固めて渡部はボディへコツコツとパンチ、立ってもパウンドを落とす。さらにがぶりの体勢からフロントチョークへ行ったところでラウンド終了。

2R、序盤から島村のローが決まる、渡部はロープを背負いながらリングを周り組み付く隙を窺うが島村のプレッシャーになかなか入っていけない。島村がローを叩き込むたびに渡部の身体は大きく泳ぎ、ダメージの大きさが見て取れる。

ラウンド後半、打撃で優位に立つ島村は思い切って自ら寝技に引き込み腕関節から三角絞めを狙うも時間切れ。

後半は島村優勢が明らかだったが判定はジャッジ一人が島村を支持するに留まり1-0でドロー。どちらもあと一歩決め手を欠く内容だった。

▼第8試合 ZSTルール フライ級5分2ラウンド
〇 駒杵嵩大(クレイジーアーマメント)
判定3-0
● タイガー石井(FightingNxus/虎の子レスリングクラブ)

柔道の元全日本強化選手という経歴を持つ駒杵と、プロ20年のキャリアを持つベテラン・石井の対決。

1R、駒杵は柔道を活かした組みの強さで石井から上を取る。四つから足を掛けて倒すとパスガードからマウント、バックとポジションを取る。石井はこれを脱出し、スタンドでミドルやローを当てていく。

石井もこれまで12の一本勝利があり寝技には定評があるも、駒杵の組みと抑え込みの強さに攻撃に転じることができない。

2Rも駒杵が組みから上を取る。石井は一瞬の隙をついて見事なスイープでマウントを奪うも駒杵は上を取り返しサイドポジションを奪う。石井は下から足を使い、三角絞めのような形で駒杵を固めるも駒杵は石井の体へヒザを打ち込む。残り10秒でスタンドとなり互いに打撃を出し合ったところで試合終了。ジャッジ二人が駒杵を支持し、期待の新鋭がベテランから勝利をもぎとった。

▼第7試合 ZSTルール フライ級5分2ラウンド
△ 上田貴央(FIGHTER’SFLOW)
ドロー ※1-0
△ 佐々木亮太(蒼天塾 あざみ野道場)

1R、佐々木がタックルからバックを奪うが上田は落ち着いて反転して正対、パスガードから逆にバックを奪い返す。すると佐々木もここから抜け出し、もう一度バックにつく。目まぐるしくポジションが入れ替わるなか、最後はスタンドに戻ったところでラウンドが終了。

2R、このラウンドも互いに何度もバックを取り合うグラウンドの攻防が続く。

互いに有利なポジションを取るも、すぐに逆転する一進一退の攻防。終盤は上田がパウンドで攻め、バックチョークを狙うがここで時間切れ。判定は上田に1票が入るが1-0のドローとなった。

▼第6試合 ZSTルール フェザー級5分2ラウンド
〇 浜松ヤマト(T.GRIP.TOKYO)
一本 1R4分43秒 ※フロントチョーク
● 小川将貴(ピロクテテス新潟)

序盤から打撃で圧力をかけるのは浜松。右ストレートや左ハイキックを飛ばす。

さらに四つ組みからテイクダウンしてパウンドを落とす。小川は立つも再び浜松が倒す。そして小川の起き上がり際に合わせてがぶりからフロントチョーク。

これがガッチリと極まり小川はタップ。完勝と言える内容で浜松がフィニッシュした。

会場側のトラブルでマイクが使用できない中、浜松は地声でフェザー級戦線を駆け上げっていく宣言。客席を沸かせた。

▼第5試合 ZSTルール フェザー級5分2ラウンド
△ 寺本大輔(リバーサルジム横浜グランドスラム)
ドロー ※0-0
△ 直斗(総合格闘技宇留野道場)

ZSTをはじめパンクラス、UFCなど国内外の団体で活躍した清水俊一、俊裕兄弟の三男・直斗が出陣。対戦相手の寺本もグラウンドを得意とするファイターだ。

1R、タックルで上を取ったのは直斗。足関節を狙いに行くも寺本が抜けてスタンドへ。パンチからタックルで再び直斗がテイクダウン。しかし寺本が下から三角絞め、さらに足のクラッチを組んだ状態で下からパウンドを打つ。

このまま極まるかに思えたがここでラウンド終了。

2R、このラウンドも直斗がタックルで上を取る。寺本も下から寝技で仕掛けるが直斗は極めさせない。直斗はタックルで何度となくテイクダウンするが決定的な場面は最後まで作れず。

0-0のドローとなった。

▼第4試合 ZSTルール フライ級5分2ラウンド
〇 小林優(パラエストラ吉祥寺)
判定3-0
● 田村淳(拳心会)

1R、スタンドで小林の左がヒットしこれが効いたか田村が下がる。田村はタックルでテイクダウンも小林が上を取り返しバックを奪取。パウンドをコツコツ当てながらチョークを狙うも田村は極めさせず。

2Rは打撃戦。前に出てパンチを振っていく小林に対して、田村はカウンターや相手の打ち終わりを狙って待つ戦法。

何度もパンチが交錯するが互いに決定打はなく、積極的に前へ出た小林が判定で勝利を得た。

▼第3試合 ZSTルール フライ級5分2ラウンド
〇 川端祐樹(NEO JUDO ACADEMY)
レフリーストップ 1R3分18秒 ※グラウンドパンチ
● 田丸慶輔(総合格闘技宇留野道場) 

足関節を得意とする田丸に対し、川端は打撃で勝負を挑む。大きく右を振っていく川端に対し、田丸もパンチを返す。すると打ち合いの中、川端の右フックで田丸の腰が大きく落ちる。川端はすぐにラッシュを仕掛けて上を取りパウンドを連打。田丸は何とかもう一度立つも再び打撃を受けてつぶされるように下に。がぶりのポジションから川端がパウンドを打ち続けると、動きのない田丸を見てレフリーが試合をストップ。TKOで川端が勝利をものにした。

▼第2試合 ZSTルール バンタム級5分2ラウンド
△ 諏訪部哲平(和術慧舟會駿河道場)
ドロー ※0-0
△ 河村泰博(新潟イエローマンズ)

寝業師対決の第2試合、序盤は諏訪部がスタンドで前へ出る。リーチで勝る河村は長いジャブを突いて応戦。コーナーで組みの攻防から上を取ったのは諏訪部。

しかし河村はオモプラッタから足関節、フロントチョークと次々に仕掛ける。諏訪部は後手に回りながらも極めは許さず、最後は上を取り返してラウンドを終えた。

2R、諏訪部がタックルでテイクダウンを奪う。しかしまたも河村がここから寝技で攻める。フロントチョークから諏訪部の手を足で絡めとる糸通しと呼ばれる技、さらに三角絞め。諏訪部は三角をしのぐとコツコツとパウンドを落とす。河村は足関節から上を取り、両者の足が絡まった状態でパウンドを連打。

互いに決定的な場面は作れず、0-0のドローとなった。

▼第1試合 ZSTルール フェザー級5分2ラウンド
〇 木下尚祐(和術慧舟會GODS)
判定3-0
● 山本空良(パワーオブドリーム札幌)

山本はかつてPRIDEにも参戦し、元UFC-JAPAN王者の肩書も持つプロレスラー・山本喧一の次男、対する木下は長い手足とアグレッシブなスタイルが特徴。
1R、山本は低いタックルでテイクダウンを狙うが木下はこれを受け止めて耐える。山本の攻撃がローブローとなり一時中断ののち再開。寝技の展開へ持ち込みたい山本は再び組み付いてから木下に飛びつきクローズドガードの体勢へ。しかし木下は山本に組み付かれたまま立ち上がり再びスタンドへ試合を戻す。木下の打撃をかいくぐり山本がさらに組み付くと、木下は豪快に首投げで上を取る。ここでラウンド終了

2Rも寝技の山本、打撃の木下、という展開は続き。山本がタックルや前転のような動きから寝技へ引き込もうとするのを木下は防いでスタンドへ戻す。山本は地を這うようなタックルでしつこく組み付き、下から腕十字を狙うが木下はこれをしのぎパウンドを落とす。

終始上をキープして打撃で優勢に進めた木下がフルマークで判定勝利した。

【撮影:神谷渚】

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